忍者ブログ

Girls' Talk~恋バナ倉庫~(旧・沖縄より愛を込めて

ここでは色恋沙汰&ビューティーの話をつれづれと。

   
カテゴリー「♡沖縄-ドイツ遠距離恋愛」の記事一覧

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

遠距離恋愛:『東京ライフVol.2』

前回のあらすじ:
佐藤君にヲタ活動をカミングアウトできず、「結婚式」だったと隠したさくら(笑)。
そんな一人の帰り道に入った思わぬ人からのメールとは・・・?

*******************
2年弱ほど前に10歳年下の彼氏にどっぷりハマりまして、その人と別れた直後にたった1週間ほど付き合った男(以下キヨトくん)がいたんですが、その人が沖縄へ来ていて、私に会いに来るとのメールでした。

私のいるところへは私のスケジュールに合わせて金曜日に来て、月曜に発つとのことでした。この時点で私のスケジュールが土曜発に変わっていたので、キヨトくんもそのように変更するということで決まりました。
今は時々連絡がくらいの友人だけど、忙しい最中にかまいたくないタイプの人で・・・あー、もう面倒くさい。とはいえ、じゃけにも扱えないのは私の性格で。

~私用でばったばたとしてすごす~

で、10日。夕方から印刷会社に入り、10時過ぎまでいたんですけど(4時間以上打ち合わせしてた)、本当は8時には終わらせ、大学時代の親友と池袋でご飯してから佐藤くんのところにいくはずでした。
なので、予定が大幅に狂い、結局その日は親友宅に泊まることに。(佐藤くんは残念がってましたが、飛行機が取れなかった関係で翌日に振り替えたのでセーフ)。31歳で初めての一人暮らしをはじめたんですよね、彼女は。3ヶ月がたってましたが、その間にうっかりな夜を5回ほど・・・お互いいろいろあるもんだねーとガールズトークは朝までおよびました。

11日は金曜日。都会でいろいろ買い物をし、一回実家へ帰還。男の家へ泊まりに行くということは、女である限りいろいろ準備が必要なわけです。
くっそー、まつ毛パーマかけとけばよかったぜ。ネイルでもやっときゃよかった。美容院行っとけば・・・と悔やんでいたら、はっと思い出しました。
佐藤くんは、私の一番ひどい姿をよく知ってるんだと。今更じたばたしたところで意味がわからんって。

20時頃、小田急線の某駅にて車で拾ってもらうと、佐藤くんは会社帰りのままなのでスーツ姿です。スーツはベタにポールスミス、ネクタイはトゥモローランドかと。なかなかセンスがいいです。
三宿の板蕎麦屋で食事をし、そこで偶然私の広告代理店時代の同僚とばったり。

元同僚 「え、やだ、さくらじゃない? うっそー、久しぶりじゃん!」
さくら 「あー、びっくりした!久しぶり!」

この元同僚、私と同じ年で某高級女性コスメの担当で、もらった名刺を見ると昇進してました。

さくら 「すっかり偉くなっちゃったねー」
元同僚 「おかげで結婚のチャンスは逃したけどねー。さくらは最近どうしてるの?ライターやってるらしいって噂聞いたけど」
さくら 「うん、細々とね」

正直仕事の話はしたくなかったんですよね。じゃけにもできんし、こういうのって困ります。トラウマも甦ってくるし、とはいえ相手の話だけならちょっと興味があると言うたちの悪いもので。

ツレがいるからと逃げようとしたところで、今度はツレについていろいろ聞かれます。あー、女って本当に面倒くさい。どうせ週明けにネタにされるのはわかりきってます。しかも東京って意外に狭い世界なので、どこに共通の知人がいるかわかりませんし。が、佐藤くんの手前、彼氏だと紹介せざるを得ません。

おかげでご機嫌な佐藤くん、今日は飲まないと言った私に運転を任せるつもりでお酒がすすみます。

二軒目へ行くことになり、私の元行きつけの駒沢のダイニングバーへ。金曜日は予約がない場合は、顔が利かないと席が取れないので。
そしてこういう日に限って、いろんな人に会うんですよね・・・
金曜日の麻布、恵比寿、中目黒、そして三宿などの世田谷R246沿いは危険エリアだってことをすっかり忘れてました。

私は田園都市線沿いに住んでたんですけど、その当時の近所の友人や、業界仲間、6組ぐらい会ったかなぁ。すっごい遭遇率だと思うんですけど、当時はこんなことが当たり前だったので一人で飲みに行っても誰かに会うって便利だったりしたんですけどねー。

佐藤くんにいちいち紹介したり、今の状況を説明したり、超面倒なんですよ、ほんと。元彼(4人前)にも会っちゃったりしたし。
で、あんまりにも面倒だったので、佐藤くんの耳元で囁いてみました。

さくら 「早く二人になりたいな」
佐藤 「(にやっと笑い)じゃ、帰ろっか」

私は連日寝不足で、正直ベッドのお供はしんどいと思ってたので夜遊びの方がましかと思ってたんですけど、もうどうでもよくなってまして。
やたらとハンドルが回り、意外に小回りの効くでっかいボルボで佐藤くんの部屋へ向かいました。

・・・続く・・・他の遠恋の話はこちらから→Rankingにほんブログ村 恋愛ブログ 遠距離恋愛へ

拍手[0回]

PR

遠距離恋愛:『東京ライフ vol.1』

7月5日。午後の便で東京へ。佐藤くんが羽田空港に迎えに来てくれる。私の姿を認めるとすっごいニコニコしてゆっくりとこっちへ来て「お帰り」と一言。素早く私の荷物を持ってくれた。車に乗り込み、忙しくて泊まる事ができないと言った私をとがめることなく、実家まで送ってもらうことに。

佐藤 「ばりっばりに化粧してないじゃん(ご機嫌モードで)」
さくら「しようと思ったんだけど余裕なくって。眉毛だけは描いたよ(めがねだったけど、実は眉毛とまつ毛はナチュラルにばっちり。服はさすがにタイパンツでなくしゅっとしてます)」
佐藤 「しなくてもいいよ。しなくてもかわいいよ」

赤面しそうなことを突然言って、信号待ちですっと手を伸ばし、私の首をきゅきゅっと揉んでくれました。

さくら「ありがとう。けど恥ずかしいよ」
佐藤 「恥ずかしいな」
さくら「そうだよ、恥ずかしいよ」
佐藤 「はは、ごめん。けど、やっぱかわいいよ」

二人とも照れながら高速を使わず、下道で環状線を北上。
喉乾いてない?お腹すいた?と子供を気遣う勢いの佐藤くん。私がどうしてもラーメンが食べたいと色気のないことを言うと、少々ブーイングを出しつつ、私の大好きな店へ。ここは夜はちょっと並ぶんですよね。二人で順番待ちをしながら、首やら腰やら、どこかしらボディタッチしている佐藤くん。ちょっと悪いことしたかなぁと思いつつも、翌日の『秘密の会合』のことが頭を過ぎり、心の中で謝ってるわけで。

佐藤 「明日の夜は?」
さくら「のっぺきならない(←二人の間でこの言葉がブレイク中)用事があるの」
佐藤 「なに、のっぺきならないって」
さくら「ガールズナイトだから(嘘は言ってないw)。絶対抜けられないし、男子禁制なの」
佐藤 「女ってそういうの好きだよなァ」

仕事が始まってからの佐藤くんは、ちょっと変わったように思えました。嫉妬とか猜疑心とか、どっかに飛んでいってしまったかのような。
これなら付き合いやすいなぁと、ラブラブモードで手なんか繋いじゃったりして(笑) おいしい塩ラーメンを頂き、実家に近くなったところで車を停めまして・・・。

佐藤 「めがね外したら全然見えない?」
さくら「うん、結構見えない」
佐藤 「(私のメガネを外して)俺のこと見える?」
さくら「ぼやけて見える」
佐藤 「(顔を近づけて)見える?」
さくら「さっきよりは・・・」

そのままシートに押し付けられるようにキスされて、慣れた手つきで背もたれが倒されました。勢い的に止まらなさそうな佐藤くん。ラーメンのにんにくが気になる私。佐藤くんの手は体を這い始めました。ようやくにんにくより、人目が気になるようになった私。あー、このまま車でなんて大学生じゃあるまいし、ありえないだろ。

さくら「ちょっと、ストップ!」
佐藤 「もう無理」
さくら「無理じゃない、っていうか、無理!」
佐藤 「我慢できない」
さくら「わかるけど、ここじゃさすがに・・・」
佐藤 「ホテル行こう」
さくら「時間ないもん。だから実家に送ってくれたんでしょ?」
佐藤 「そうだけど、今はもう止められない」

正直迷ったんですよね・・・このままホテルに行っちゃおうかと。私もそういう気分になってきちゃってたし。
しかしながらそれはせず、かくかくしかじか(R18につき、中略)な感じで実家へ送り届けられました。

こういう車でデート的なことって、もう何年振りだろうと振り返ってしまいました。
東京にいた頃はこういうのが当たり前だったのに、旅人と化してからはさすがになかったんですよね。
東京だなぁ。沖縄だったら絶対車で送ってもらえることなんてないもの(酒飲みの県なので車で行っても代行必須です)。
こういっちゃなんですが、やっぱり私も都会っ子なんだとあらためて実感。

翌日は『秘密の会合』。
実は私、あるアイドルグループヲタ。今回東京へ来た理由の7割はコンサートのため・・・もちろんカミングアウトできず・・・秘密がいっぱいです(笑)
この日、佐藤くんには結婚式だと嘘をついてまして、全然電話に出なかったんですよね。帰りに佐藤くんの家へ行こうかと思ったのですが、電車の乗換えが面倒な上、服装的にバレるのを恐れ、実家へ帰りました。

更に翌日の月曜も懲りないでコンサート。そして帰りしなの駅のホームで電話を受けました。

佐藤 「昨日どうだった?」
さくら「(ぼーっとして)コンサート行ってた」
佐藤 「え、そうだったんだ? 結婚式は?」
さくら「(ハッとして)あ、うん、結婚式で歌手が来てコンサート状態になってたの!」
佐藤 「誰がきたの?」
さくら「全然マイナーな人だから言ってもわかんないと思う。2次会(ヲタ会合)で盛り上がっちゃって電話出れなくてごめんね」
佐藤 「今日は?」
さくら「友達と飲んでたよ。今終わって今帰るところ」
佐藤 「そっか。俺、今一人で飲んでる」
さくら「会社どう?」
佐藤 「うん。今日も8時には帰れたよ。この時間じゃ誰も仕事終わんねーから家でDVD見てた」

ようは入社したてなので、まだまだ暇なようです。
この後、いつ泊まりに来れるのか打診され、なかなか回答が出せず。しかも東京ステイの場合、予定がわっさーっと入るわけですよ(佐藤くんと出会う前から予定決まってた)。正直男の家でのんびり過ごすには時間がなさすぎるわけで。
とりあえず10日の夜、印刷会社との打ち合わせの後にセットしました。

そして電車の中で思いもよらないメールが届きました。

・・・続く・・・他の遠恋の話はこちらから→Rankingにほんブログ村 恋愛ブログ 遠距離恋愛へ

※ここで当時の読者さんから「かくかくしかじか」を詳しく!との大人な(笑)リクエストがありまして、喋り言葉じゃ恥ずかしいので小説風に書きましたので、続きに収納・・・大人の方で性的描写が大丈夫な方はどうぞ。

拍手[0回]

遠距離恋愛:『過去の男』

6月29日。
ものすごく久しぶりの人からの電話を受ける。
昨年、引越してきた頃に隣のゲストハウスに来ていた鈴木くん・29歳の関西人。
お互いに『忙しい』を理由に中途半端な関係で、彼が沖縄へくれば私にべったりだし、私が東京へ行けば必ず時間をつくって合う・・・という感じの人(体の関係はありません)。
なんと言いますか、お互い恋愛の駆け引きを楽しむ相手・・・と表現すれば一番しっくりくるかも。

5月の終わりぐらいまでは、頻繁に電話があったのですが、6月に入ってからは3日に一回程度、特筆するまでもない程度のメールのやりとりで、私も忙しく、トシくんや佐藤君のこともあり、忘れかけてました。

私が東京に行く日の確認だったんですが、7月4日(金)のフライトで行くので5日(土)に妹の結婚パーティーに一緒に来てほしいという打診だったんです。披露宴に着ていく服のレベルのドレスコードと聞き、もう面倒くささでいっぱいに。
正直鈴木くんの妹さんの披露宴に行くほどの関係ではないと思っていたし、駆け引きゲームを再開させる精神的余裕もないし、とはいえ今更空気を読んでもらう以外にわざわざ言うほどの関係でもなく・・・一日考えて、翌日に電話をしました。

さくら 「ごめん。本のスケジュールの関係で、5日に行く事になっちゃったんだ。せっかくだったんだけど、妹さんの結婚式は厳しいわ」
鈴木 「えー、そうなん?せっかく俺も"花"を添えたかってんけどなぁ」
さくら 「花なら、花嫁さんで十分でしょう」
鈴木 「いやー、せやけどさくらちゃんのドレス姿、見たかってんけどなぁ」

こういう調子のいいことをシレッとした顔で言う人なんです。

さくら 「私も花嫁さん、見たかったわぁ。今度写真見せてね」
鈴木 「けどな、今回さくらちゃんが来るとき、この日以外は予定がパンパンやねん」
さくら 「全然気にしないで、私もスケジュールタイトなんだ」
鈴木 「銀座まで来てくれたら会えるねんけどなぁ」
さくら 「銀座かぁ・・・青山くらいなら行けるんだけど、銀座はちょっと厳しいな」

歩み寄らない二人。結局こういうやりとりが面白いだけなんだろうってこの時に気づきました。
なんとなく『恋愛』してる気分を味わってただけ。
本当に会いたかったら、青山も銀座も大した距離じゃないのに。

佐藤 「羽田まで迎えに行くから」

フライトの日時が決まったことを報告すると、佐藤くんはそう言ってくれました。
会いたいって思ってくれてることが嬉しいのに、素直に喜びを表に出せない私は、

さくら 「別にいいよ、来てくれなくても。夜遅くなっちゃうし」
佐藤 「次の日も休みだし、気にすんなよ。それとも誰か迎えにでも来るの?」
さくら 「まさか」
佐藤 「じゃあ素直に嬉しい声出せよ」
さくら 「そういうこと強制するのって違くない??」
佐藤 「あのさぁ、お前、ダーリンにしか可愛いところ見せないって豪語してたのに、なんで全然可愛くないわけ?」

さくらの常套句・・・『手を繋げるのも、キスできるのも、甘えた顔を見せられるのも、ダーリンにだけ』

佐藤 「契約違反だ」
さくら 「えー・・・」

と、少々惚気てみましたが、この日が初出勤だった佐藤くんは会社の様子なんかを話してくれて、すっかりビジネスマンの顔だった。

仕事が始まってからの佐藤くんは、以前ほど嫉妬することもなく穏やか。
恋愛に現を抜かしてる余裕もないんだろうな、と思いました。
私も入稿に向けて原稿を進めるのに集中。
恋だの、愛だのではなく、その日にあったことなどを話して終わる一日は、いつの間にか私の日課になっていて、彼から電話のなかったたった一日がものすごく寂しかった。

7月5日。午後の便で東京へ。佐藤くんが羽田空港に迎えに来てくれる。

・・・続く・・・他の遠恋の話はこちらから→Rankingにほんブログ村 恋愛ブログ 遠距離恋愛へ

拍手[0回]

遠距離恋愛:『のっぺきならない・・・』

前回までのあらすじ:
嵐を巻き起こした佐藤くんが東京へ戻っていき、トシくんにも告白の返事をしたさくら。
平穏な日々が戻ってきたと思ったら・・・

*************** 
6月26日。この日は友人カップルが遊びに来てたので、執筆の傍らご飯を一緒に食べたりと平和で穏やかな感じ・・・だったのも夜になるまでで、20時ごろ、近隣のゲストハウスから午後3時にシーカヤックで出かけた男の子が帰らないと、海上保安庁や漁業組合まで出動する大騒ぎになり、私たちも一緒に捜索活動することに。
21時半、無事に見つかったとの連絡が入った頃から、大雨と落雷(地面が揺れるほど!)で部屋にも帰れないわけで、3人でずーっと雨宿りしつつ、日付が変わっても動けず。
佐藤くんからの着信がたくさんあったのに、部屋に携帯を置きっぱで出られず、夜中3時くらいに部屋に帰りついたものの、寝てるだろうからとかけなおさずにいたら、翌朝8時から電話がなりっぱなし。朝の弱い私がようやく9時くらいの電話に出ると、ものすごく静かに怒ってました。静かに怒るって一番怖いと思うんですよね。無言の圧力が半端なくて。
事情を説明しても、作り話みたいじゃないですか?リアルに起こったことなのに、嘘っぽい出来事っていうか。

佐藤 「もういいよ」
さくら「もういいって何?」
佐藤 「本当でも嘘でもどっちでもいいよ」
さくら「本当だし、嘘つく必要もないし、その言い方はカチンとくる」
佐藤 「だって俺、傍にいないから確かめようがないだろ?」
さくら「信じてくれなくていい。けど、信じてくれないような人とはやっていける自信はない」

寝起きなので、こちらも思考能力がないに等しいわけです。そりゃストレートに言ってしまいます。黙り込んだ佐藤くん。黙らないさくら。

さくら「昨日、トシくんには付き合えないって言ったから」
佐藤 「俺のことは?」
さくら「もっと話したかったって言ってたよ」
佐藤 「そうじゃなくて、俺と付き合うからって言ったの?」
さくら「何て言ったかまで報告しなきゃいけないの?とにかく付き合えないって納得してもらえたと思う」

トシくんが本当に納得してくれたかは定かじゃないなぁと、この時ようやく目が覚めてきました。
とりあえず佐藤くんとの電話を終わらせ、疲労困憊な私は二度寝。11時くらいに目覚めると、いつものように海で水浴びして、シャワー、ごはん、執筆・・・。

友達がちょっと遊びに来て、4人くらいでお茶してから、夕方は図書館へ。帰りにゲストハウスでネットを繋ぎ・・・って毎日の生活パターンを羅列してるだけですが、平和な日々だとこんな感じなんです、はい(早くネットとクーラー修理来ないかなぁ・・・)。


28日。夜に佐藤くんと電話。昨日と打って変わってしんみりモードです。

佐藤 「あれからトシと連絡とった?」
さくら「取ってないよ」

佐藤君、しみじみとため息をついて言いました。

佐藤 「あいつ、ものすごいいいやつだったからさ、相手がお前じゃなかったら応援してやりたかったんだけどな。なんか自分が荒んでるような気にさせられた、あいつと喋ってると」
さくら「うん、わかる。昨日ね、トシくんに言われたんだ。人を好きになるのって、時も場所も状況も選ばないもんだって。なんかもっと違う言い方が出来たんじゃないかって考えちゃった」
佐藤 「結局、なんて断ったの?」
さくら「恋愛モードじゃないって言った」
佐藤 「なんだそれ」
さくら「だって本当にそう思ったから・・・」
佐藤 「じゃあ俺はどうなるんだよ。俺とはどうなの?」
さくら「どうって?」
佐藤 「俺とは恋愛じゃないの?」
さくら「今は・・・恋愛だけど、なんかまだ実感が沸いてないっていうか・・・一瞬先は・・・闇って言うか・・・」

気まずい沈黙が流れました。
正直佐藤くんはいつ心変わりしてもおかしくないって思ってました。
東京にいたら、魅力的な女の子は吐いて捨てるほどいるわけです。
振られることをわかってて、みすみすハマるほど、経験がないわけでもないんです。

さくら「まだ、様子見してるところあるかも。正直、急にこんな事になったから、頭がついていけてないの」
佐藤 「頭で考えるなよ、そんなこと。俺だって頭で考えたらわけわかんねーけど、考えるよりも先に感じられるから、なんていうか、好きってたぶんそういうことなんだと思うようになった」

たぶんそうなんだと私も思いました。
自分の胸に聞いてみても、よくわからないと言われてしまう。不意打ちでドキンとしたり、切なくなったり、恋しくなったりはするんですけど、それらをひっくるめて『好き』ってことにしてしまってもいいのか・・・好きは好きだけど、恋なのかがわからない。

佐藤 「もう、俺的には超事件だったから。今回のこと」
さくら「今回のこと?」
佐藤 「のっぴきならねー事件だってこと、お前とのことが!様子見してないで早く俺にハマれよ」
さくら「(思わず)嫌だよ、そんなの」
佐藤 「なんでだよ!あー、もうすっげーむかつく」
さくら「佐藤くんて、熱しやすくて冷めやすいタイプじゃない?」
佐藤 「失礼なやつだな。そういう時もあったけど、今そう思われるの腹立つ。馬鹿にしてんの?こんなに、俺・・・(深いため息)とにかくヘコむからそういうこと言うなよ」
さくら「ごめん」
佐藤 「俺のこと好き?」
さくら「毎回同じことばっかり聞かないでよ」
佐藤 「明日から聞かないから、今は言って?」
さくら「・・・好きだよ」
佐藤 「・・・すっげー某読み」
さくら「だって恥ずかしいんだもん」
佐藤 「もっと感情込めて言って?」

何にも考えなければ、佐藤君を素直に信じられればいいのに。
だけどやっぱりハマるのが怖いんです。
いっそのことデブハゲブサイクでプー太郎くんだったらよかったのに。
スペックが高すぎる男は、今の私は対等になれる気がしないんです。

・・・続く・・・他の遠恋の話はこちらから→Rankingにほんブログ村 恋愛ブログ 遠距離恋愛へ

拍手[0回]

遠距離恋愛:『気づき』

前回までのあらすじ:
一緒に過ごした1週間が終わり、『彼氏』と『彼女』という肩書きがついたところで、
いよいよ遠距離恋愛のスタート・・・。

********************
25日昼過ぎに佐藤くんが去って行き、その日は思いっきり執筆に専念。夕日の時間には雨もやみ、何だかくたびれていたので、ゲストハウスのハンモックへ。
スタッフをしている男友達が突然に言いました。

友達 「佐藤くんと結局どうなったの?」
さくら「へ?(なんで知ってるの!?)」
友達 「すっごい入れ込んでたじゃん、彼。っつーか最近やたらモテてるよな?」
さくら「そうねぇ、モテてるね」
友達 「忙しい時に面倒くせーって言うなよ、男たちが聞いたら泣くぞ」
さくら「(バレてたのね・・・)」

一応佐藤くんと付き合うことになったが、微妙なので口外ナシでと釘を差し、普通に久々の世間話を。この友達も彼女が東京にいて、月に1回3日ほど会うような生活をしてるんですけど、結婚するまではこれでやっていきたいって人で。
この時気づいたんですけど、やっと平和な日々が戻ってきた・・・ってどこかホッとしてるんですよね。忙しくて仕方ないから恋愛さえも邪魔に感じるというか。
うまいこと遠距離で拘束されることなく楽しくやっていければ、バランスよくやっていけるんだけどね、と話してました。

翌日26日は普通に電話ぐらい。
翌27日は晴天。暑くて目を覚ましてとりあえず服のまま海へ飛び込んで涼んでいると、少し離れたところにやはり誰か泳いでいました。
目が悪いので誰かわからずでしたが、いつの間にか結構近くまで潜ってきて顔を出されると、トシくんでした。

さくら「おはよ~!」
トシ 「おはようございます。今日天気いいっすね!」

すがすがしい顔をしたトシくんは、浮き輪でぷかぷかする私とは違って、立ち泳ぎ。
つかまれば?と浮き輪の端につかまったトシくん、やたら顔が近いのでちょっとドキドキします。

トシ 「佐藤さんはもう帰られたんですか?」
さくら「うん、一昨日帰ってったよ」
トシ 「こないだのイベントの時に話したんですけど、もっと話したかったなぁ」

トシくんって、すごく純粋なんだと思います。この人から偽善とか腹黒さはまったく匂ってこない。ちゃんと付き合うならこういう人がよかったんだけどなーと思いつつ、気持ちが動かない私としては、せめて誠意を持って接しなければと腹をくくりました。

さくら「あのさ、こないだの返事のことなんだけど」
トシ 「(目で「はいっ」と言ってる)」
さくら「トシくんとは付き合えない」
トシ 「あー、やっぱりそうですか。やっぱり俺じゃ全然だめっすよね・・・」
さくら「そういうことじゃないの。誰だからいいとかじゃなくて、恋愛モードじゃないだけなんだ」
トシ 「(むっとして)恋愛モードってなんっすか?恋愛するのにそんなもん関係あるんスか?」
さくら「(そう言われる答えにくい)」
トシ 「人を好きになるのって、時も場所も状況も選ばないもんじゃないですか」

・・・ズドンときました。

トシ 「じゃあ、そろそろ仕事なんで行きますね」

身を翻してトシくんは泳いでいってしまいました。
誰かを好きになるのは突然のことで、それまで予想もできない。失望することがあって育つ前に芽を摘むことはあっても、気になった時点できっともう恋が始まってる。
これまで何度か経験があったというのに、目を醒まされたような気分になりました。

・・・続く・・・他の遠恋の話はこちらから→Rankingにほんブログ村 恋愛ブログ 遠距離恋愛へ

拍手[0回]

■プロフィール

HN:
さくら
性別:
女性
職業:
フリーライター
趣味:
音楽・映画鑑賞、食べること
自己紹介:
このブログでは、過去の遠距離恋愛のこと、現在進行形の恋愛話を綴っています。

カウンター

ブログ内検索

カレンダー

最新コメント

[12/09 Daisy]
[05/02 あおい]
[05/02 Daisy]
[04/30 Daisy]
[04/29 nori]

■携帯用QRコード

Copyright ©  -- Girls' Talk~恋バナ倉庫~(旧・沖縄より愛を込めて --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]