前回のあらすじ:
佐藤君にヲタ活動をカミングアウトできず、「結婚式」だったと隠したさくら(笑)。
そんな一人の帰り道に入った思わぬ人からのメールとは・・・?
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2年弱ほど前に10歳年下の彼氏にどっぷりハマりまして、その人と別れた直後に
たった1週間ほど付き合った男(以下キヨトくん)がいたんですが、その人が沖縄へ来ていて、私に会いに来るとのメールでした。
私のいるところへは私のスケジュールに合わせて金曜日に来て、月曜に発つとのことでした。この時点で私のスケジュールが土曜発に変わっていたので、キヨトくんもそのように変更するということで決まりました。
今は時々連絡がくらいの友人だけど、忙しい最中にかまいたくないタイプの人で・・・あー、もう面倒くさい。とはいえ、じゃけにも扱えないのは私の性格で。
~私用でばったばたとしてすごす~
で、10日。夕方から印刷会社に入り、10時過ぎまでいたんですけど(4時間以上打ち合わせしてた)、本当は8時には終わらせ、大学時代の親友と池袋でご飯してから佐藤くんのところにいくはずでした。
なので、予定が大幅に狂い、結局その日は親友宅に泊まることに。(佐藤くんは残念がってましたが、飛行機が取れなかった関係で翌日に振り替えたのでセーフ)。31歳で初めての一人暮らしをはじめたんですよね、彼女は。3ヶ月がたってましたが、その間にうっかりな夜を5回ほど・・・お互いいろいろあるもんだねーとガールズトークは朝までおよびました。
11日は金曜日。都会でいろいろ買い物をし、一回実家へ帰還。男の家へ泊まりに行くということは、女である限りいろいろ準備が必要なわけです。
くっそー、まつ毛パーマかけとけばよかったぜ。ネイルでもやっときゃよかった。美容院行っとけば・・・と悔やんでいたら、はっと思い出しました。
佐藤くんは、私の一番ひどい姿をよく知ってるんだと。今更じたばたしたところで意味がわからんって。
20時頃、小田急線の某駅にて車で拾ってもらうと、佐藤くんは会社帰りのままなのでスーツ姿です。スーツはベタにポールスミス、ネクタイはトゥモローランドかと。なかなかセンスがいいです。
三宿の板蕎麦屋で食事をし、そこで偶然私の広告代理店時代の同僚とばったり。
元同僚 「え、やだ、さくらじゃない? うっそー、久しぶりじゃん!」
さくら 「あー、びっくりした!久しぶり!」
この元同僚、私と同じ年で某高級女性コスメの担当で、もらった名刺を見ると昇進してました。
さくら 「すっかり偉くなっちゃったねー」
元同僚 「おかげで結婚のチャンスは逃したけどねー。さくらは最近どうしてるの?ライターやってるらしいって噂聞いたけど」
さくら 「うん、細々とね」
正直仕事の話はしたくなかったんですよね。じゃけにもできんし、こういうのって困ります。トラウマも甦ってくるし、とはいえ相手の話だけならちょっと興味があると言うたちの悪いもので。
ツレがいるからと逃げようとしたところで、今度はツレについていろいろ聞かれます。あー、女って本当に面倒くさい。どうせ週明けにネタにされるのはわかりきってます。しかも東京って意外に狭い世界なので、どこに共通の知人がいるかわかりませんし。が、佐藤くんの手前、彼氏だと紹介せざるを得ません。
おかげでご機嫌な佐藤くん、今日は飲まないと言った私に運転を任せるつもりでお酒がすすみます。
二軒目へ行くことになり、私の元行きつけの駒沢のダイニングバーへ。金曜日は予約がない場合は、顔が利かないと席が取れないので。
そしてこういう日に限って、いろんな人に会うんですよね・・・
金曜日の麻布、恵比寿、中目黒、そして三宿などの世田谷R246沿いは危険エリアだってことをすっかり忘れてました。
私は田園都市線沿いに住んでたんですけど、その当時の近所の友人や、業界仲間、6組ぐらい会ったかなぁ。すっごい遭遇率だと思うんですけど、当時はこんなことが当たり前だったので一人で飲みに行っても誰かに会うって便利だったりしたんですけどねー。
佐藤くんにいちいち紹介したり、今の状況を説明したり、超面倒なんですよ、ほんと。元彼(4人前)にも会っちゃったりしたし。
で、あんまりにも面倒だったので、佐藤くんの耳元で囁いてみました。
さくら 「早く二人になりたいな」
佐藤 「(にやっと笑い)じゃ、帰ろっか」
私は連日寝不足で、正直ベッドのお供はしんどいと思ってたので夜遊びの方がましかと思ってたんですけど、もうどうでもよくなってまして。
やたらとハンドルが回り、意外に小回りの効くでっかいボルボで佐藤くんの部屋へ向かいました。
・・・続く・・・
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