前回までのあらすじ:佐藤君への気持ちが真剣なものに変わって行くことに戸惑って、ついつい佐藤君を避けてしまったさくら。結局会わずじまいで沖縄に戻ったが・・・
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8月2日。
前日に那覇で新しい車を購入。ゆえに、納車になる6日まで引きこもり決定です。
勢いで部屋のリニューアルをし、気分も一転、頭の中もリセットされていろんなことがぐるぐると回ってました。
佐藤くんのこともそうなんですが、これからの生活のことも。仕事のこともグレーなことが多いし、どういう風に進んで行こうかをゆっくり考えるいい機会でした。
夜になって、部屋に自転車デートしたJくんが尋ねてきました。
私が東京から帰ってくるのを待ってたらしく、那覇へ行くことを決めたとの報告でした。
Jくん 「俺、もっと自分のことをちゃんとする。ちゃんとしてからさくら姉のこととか、恋愛のこととか考えたいって思うてん」
さくら 「そうなんだ。こっちじゃ仕事もなかなかないしね」
Jくん 「うん。さくら姉も目標もって、自分のやりたいこととか、いろいろしっかりしとるし、さくら姉の彼氏もしっかりした人みたいやし。俺もこのままじゃあかんて思うてなぁ」
気の利いたこと、一つも言ってあげれませんでした。だって私自身が一番模索中だったもんで・・・。
佐藤クンに関しては、本当にジェットコースターみたいだったなぁと。沖縄に来てゆるりとやっていくはずが、展開も急で目が回りそうな勢いで気持ちも振り回されて、私としてはどうしたいのかとか考えるゆとりがなくなって恋に溺れかけてた。
だから好きって気持ちはあっても、車を買うことも言えなかったし、ヲタ活動のことも言えないままだし、嘘やごまかしが多かったなぁと。一緒にいるより、沖縄に一人でいることを選んでいることもグレーにしていたし。
今回の東京への旅費を出してもらってることで、必要以上に気を使ってたかもしれないということにも気づいたり。
0時過ぎ、佐藤くんから電話がありました。
佐藤 「いろいろ落ち着いた?」
さくら 「うん。なんかごめんね」
佐藤 「なにが?」
さくら 「いろいろさ・・・」
佐藤 「やめろよ、そういうの。余計に気持ち悪くなるだろー」
さくら 「気持ち悪い?」
佐藤 「お前がバタバタしてむちゃくちゃ忙しかったって信じてんだからさ、謝ったりするなよ。変なこと考えるだろ」
そうか・・・。少なからず最近の私の言動は佐藤くんを不安にさせてたんだなぁと、わかってたはずなのにやっとちゃんと自覚しました。
さくら 「ごめん・・・」
佐藤 「謝らなくていいから、もっと俺を喜ばすこと言ってよ」
さくら 「え・・・喜ばすこと?」
佐藤 「そうそう、ちょっとかわいいかんじで」
さくら 「・・・変人」
佐藤 「またそれかよ、全然嬉しくないんだけど」
さくら 「変人だけど、好きだよ(ぼそっ)」
佐藤 「かわいくないけど、好きだよ」
へへへと二人で照れて笑い合うと、なんだかほっこりします。
さくら 「いっぱい話さなきゃいけないことがあるんだ」
佐藤 「なに?」
さくら 「実は、新しい車買ったの」
佐藤 「え!?まじで?どんなの?」
さくら 「(怒られなくてホッ)ダイハツの軽だよ。CVTとかいうやつ」
佐藤 「それって、新しいやつじゃね?」
さくら 「うん、新古車ってやつ」
佐藤 「お前、どういうつもり?(ちょっと不機嫌な声)まさか帰ってくる気ないとか?だから新車?」
さくら 「売る時のことも考えて・・・」
佐藤 「新車だったら3年は乗ってから売らなきゃ元とれねーじゃんか。年内撤退、絶対ないだろ?」
さくら 「うん、年内だとあと3ヶ月ぐらいだし・・・それよりは長くいたいと思ってる」
佐藤 「なんだよ、それ・・・」
空気が一気に重苦しいものに変わりました。
後編へ続く・・・
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