前回までのあらすじ:
6/21、トシくんとバッタリ出くわした佐藤くんが酔っ払って帰宅。
嫉妬したせいなのか、一緒に東京で暮らそうという急展開に戸惑うさくらは・・・
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翌朝22日。土日はさくらにとって一番静かに精力的に執筆活動ができるんです。
近所の工事現場もお休みだし、なんだか部落も静かで平和なんで、進むんですよね~
佐藤くんは二日酔いでハンモックでお昼寝。さくらはひたすら執筆。
穏やかな一日。
夕方になり、7時くらいにちょうど夕日が沈むので浜辺で二人でゆっくりとサンセットを眺めたり。
佐藤 「なんかすごい幸せだって今思った」
さくら「いいよね、この時間。私も大好き」
佐藤 「さくらと過ごせるこの瞬間が幸せだと思う」
肩を抱かれ、さくらもちょっと寄りかかってみたりして。
こういうシチュエーションなんで、ちゅーしたりもしてみたり。
まぁ、翌日の23日もこんな感じで過ぎてきました。
(ちょこちょこはありましたが、いまや詳細が思い出せず、ごめん)
24日は月曜日。この日から隣のゲストハウスに那覇の友人二人、遊びに来てました。佐藤くんと仲良く話ししたり、車で海へ出かけて行ってる間に、さくらは執筆。天気がちょっと不安定なので、いきなり土砂降りになったりとかする感じだったんで、簡易屋根があるゲストハウスに借りてる執筆スペースはPCが危なくて家に非難しつつ・・・月曜は図書館が休みなんです凹。
書籍オーダーの方も数が増えてきて嬉しいし、なにしろいくら書いても書いてもノルマが減らないからものすごく焦ってて、遊びに行きたくても端から見たら完全なワークホリック状態で。
その夜、佐藤くんがマッサージをしてくれました。初めてやったというけど、一生懸命さにちょっと胸を打たれてたら、
佐藤「トシに頼まれること考えたら、俺がやるしかないんだろ」
ちょっと嫌味と言うか、好きでやってるわけじゃない的発言がなかったらよかったのに、この発言でがっかり。
さくら「もういいよ。ありがとう。私のマッサージ、(石のように硬いので)しんどいのわかるからもういいよ」
佐藤 「いいの?」
さくら「うん、もういい。ありがとう」
私の言い方もツンケンしてたんですけど、向こうも「どうせ俺は下手だって言いたいんだろ?」とむくれてしまって。いい大人がくだらないことで喧嘩になってしまうという・・・。
さくら「へたなんて言ってないじゃん。イヤイヤやってほしくないって言ってるの」
佐藤 「お前、運動不足なんだよ。明日から毎朝早起きして砂浜散歩しろ」
さくら「そういうの理想的だし、憧れるけど、今は無理だよ」
佐藤 「じゃあ夜の運動する?」
さくら「夜の運動って?」
佐藤 「(時計を見て)今から、もう寝よう」
あー、そういう意味ね。そりゃそうやって現実逃避できたらいいけど、締め切りのことで頭いっぱいっす。夜22時でとてもそんな気分になりません。
佐藤 「俺がいるときぐらい仕事のこと忘れろよ。もう明日帰らなきゃなんだぜ?わかってる?」
佐藤くんがそのことに触れなかったせいですっかり忘れてました。
さくら「そっかぁ。もう明日なんだね。なんか一緒にいるの当たり前でそんな感じしなかった」
佐藤 「けど、本当のことだよ」
佐藤くんが腕を引っ張ってゆっくりと抱き寄せてきました。
さくらもなんだかセンチメンタルな気分になって、彼の腕に手をかけてしまいました。
正直べったりなのはうざかったけど、いなくなると思うと寂しい。
さくら「なんか寂しいね」
佐藤 「ほんと?」
さくら「嘘」
佐藤 「(ぽいっと突き放して)もー、なんだよ、それ」
さくら「寂しいって認めちゃったら、本当に寂しくなっちゃいそうだから」
それを聞いた佐藤くん、ものすごい勢いで抱きしめて、無精ひげの生えた頬でスリスリ。切なそうな声でこう言いました。
佐藤 「こないだ酔っ払って言ったこと、覚えてる?」
さくら「うん(本当はどの話か微妙だったけど、その場の空気で頷いた)」
佐藤 「本当は本気で一緒に東京帰ってほしいって思ってるけど、お前は絶対『うん』って言ってくれないってわかってるから言わなかった。俺の気持ち、わかってくれてる?」
さくら「うん・・・(曖昧に頷く)」
佐藤 「7月4日、帰ってきたら一番に俺に会いに来てくれる?」
さくら「うん。でも、その日に帰れるかまだ・・・」
佐藤 「いつでもいいから、帰ってきたら一番に俺に会いに来て?」
さくら「わかった」
この夜の佐藤くんは、これまでにないほど優しかった。
抱きしめる腕も、キスの仕方も、眠りにつくまでずっと。
・・・続く。
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