翌7月15日。キヨトくんが朝8時に起こしに来ました。
この日は10時からライターのお仕事の打ち合わせ。
昨晩の佐藤くんとの電話でかわいい女をひとしきり演じ切り、2時くらいまでかかり(一応円満に電話を切りました)、その後に気持ちを切り替えてPCに向かっていたこともあり、こんな慣れない時間に起床が難しいダメな私。いつの間にか二度寝してしまったようで、昨日閉め忘れた内鍵のせいで気づけばキヨトくんが枕元で私を揺り起こしていました。
キヨト 「絶対二度寝したと思って、勝手に部屋入っちゃったよ」
さくら 「あ、うん・・・ありがと」
キヨト 「相変わらずやな、さくらは」
かつて私の寝顔、寝起きが大好きだと言っていた男でした、キヨトくん。
優しく頬をなでています。
キヨト 「これだけ暑いと足先が冷えて眠れないなんてこともないやろ?」
さくら 「うん、暑くて目が覚める」
キヨト 「このまま寝たらキスするでぇ~。早よ起きぃ~」
私がちゃんと起き上がるのを見届けると、キヨトくんは部屋を出て行きました。
いい人なんですよ、ものすごく。優しいし、甘やかすし、口調も穏やかでゆっくり喋る癒し系。だけど、私はそういう男に男を感じないタイプなんでしょうね。男だと思えても、イライラしてしまうんです。
ちゃっちゃと支度し我に返ったのは、キヨトくんが大荷物を抱えていたのを見たときでした。
なんと9時50分のバスに乗ると言っています。そんなに早く発たないと間に合わない便だとは思ってもなかった・・・つまり、私が二人でゆっくり話す時間を取らなかった為に、話しそびれてしまったとのことでした。
寂しそうにしつつ、それを出さないようにしているキヨトくん。さすがに申し訳ない気持ちになり、謝りました。とりあえず車で仕事に向かう途中で降ろし、(通常ならハグするところを)握手をして別れました。
仕事モードになっていると、人に優しくもできないのかと自己嫌悪・・・。
その瞬間から一切忘れて仕事モード。この日の私の戦闘服は普段の涼しいよれよれアジアン系ではなく、ちょっとシュッとした格好。もちろんまつ毛もバシッと上がっていて、アイラインも入っています。
(中略)
16日。
佐藤くんとは、波風立たずにうまいこといってます。彼の方も転職した先での仕事が忙しくなってきて気が紛れているようで。
この時期、他に書くことがないぐらい書籍執筆のことでいっぱい。家はまだクーラー修繕の人が来てくれないし、隣のゲストハウスは連日満室で、スタッフの憩いの場に出さえお客さんが溢れて落ち着かない。
なので、時々一緒に仕事をしてる男友達が自宅兼デザイン事務所に常駐する形で仕事をすることに。部屋に二人きりなんて正直に言ったら揉めそうだし、佐藤くんには複数人がいるデザイン事務所の一角に席をもらったと話してありました。
三連休だったもので、こっちに来るという話もあったんですが、忙しいからと遠慮してもらい、それはだいぶ不服で、おまけに「他に誰か・・・」と疑われて、気持ちはわからないでもないから説明するんですけど・・・なかなか伝わらず、正直面倒だと感じてしまうほど。
新作が書き終わらず、本当にいっぱいいっぱいだったんです。26日には書き終わり、ばらばらの小説を統合し、私はその後過去の話を加筆しなきゃならない。ようは、本一冊200P以上のものを読み、加筆ってことです。7冊分、読むのだって相当時間かかるわけですもん。
案の定ギリギリな作業となり、最後の加筆段階でメインPCに続き、サブPCも故障していっぱいいっぱい。MACで作業していたけどページ設定が崩れてしまうため、作業は難航を極めてました。
本当に胃が痛くて、夏バテしないように食べてもむかむかしちゃうし、すごいストレスでした。
佐藤くんと電話してても、状況をわからない人に労われても癒されないんですよね。だったらまともに動くPC今すぐ送ってよっ!って思っちゃったりして。だから入稿が終わるまで電話はなしで!としてしまいました。
自分勝手かもしれないですけど、本当にいっぱいいっぱいだったんです・・・
・・・・・続く
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