前回までのあらすじ:
こっちに会いに来てくれる予定だった佐藤君が、当日の朝、会社のトラブルのせいでこれなくなった。
寂しいけど仕方ないよね・・・・
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9月23日。
仕事のトラブルの対応で大変そうな佐藤くん。
私は割りと腑抜な生活をしてますが、毎日の電話は相変わらずです。
ただ、深夜2時くらいにタクシーの中からかかってくるようになって、ちょっと体調が心配なんですよね。
男の人だし、体力はある方だと思うから、まだ大丈夫かとは思うんですが。
先ほどの電話で、彼が唐突に言いました。
佐藤 「あのさ、今週末行こうかと思うんだけど」
さくら 「え、今週末って、27,8?」
佐藤 「うん」
さくら 「でも、その次の週、私が東京だよ?」
佐藤 「わかってる」
さくら 「嬉しいけど、無理してくることないじゃん? どうせすぐ会えるよ?」
佐藤 「お前が来るとき、俺、もしかしたら東京にいないかもしれない」
さくら 「出張ってこと?」
佐藤 「うん」
さくら 「その、事故の関係で?」
佐藤 「いや、それとは別件なんだけど、ドイツに行かなきゃいけなくなりそう」
さくら 「え、ドイツ!?どれくらい行くの?」
佐藤 「それがさぁ、1週間らしいんだけど、その後長期になるかもしれないんだよな」
さくら 「(ドキドキ)長期って?」
佐藤 「1ヶ月。だけど、部長に『海外転勤、可能って言ってたよな?』って再確認されてさ、確かに面接の時にそういう話はしたけど、まさかこんな早く来ると思ってなくて・・・」
海外転勤・・・本当にそんなことになったら、ドイツ・沖縄の遠距離になってしまいます。
佐藤 「だから、今週末にいろいろ話しもしたいから・・・行くよ」
とてもシリアスな声に、私は一人で勝手な妄想をしてしまいました。
もし結婚しようって言われたらどうしよう。
ついてきてくれって言われたらどうしよう。
別れようって言われたらどうしよう。
さくら 「わかった」
佐藤 「お前、那覇まで来れる?」
さくら 「行くよ」
佐藤 「ホテルは俺が押さえておくから」
さくら 「うん・・・」
二人とも、いつもの明るい雰囲気はないまま電話を切りました。
いったいどうなってしまうんでしょう・・・
・・・続く・・・
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