前回までのあらすじ:東京を襲った豪雨と雷に怯えたさくらは、夜中というのに佐藤くんに電話。電話越しに優しく抱きしめられて眠りについたのだが・・・・
**********************
8月29日(金)、朝。
なんとなく目覚め、しっかりと覚醒するまで、さくらの頭の中には佐藤くんが。
「・・・えっ!?」と我に返ると、なんだか異様なまでにどきどきしてる。なんだこれ、佐藤くんのことで頭いっぱい。朝っぱらから泣きたくなるくらい会いたくて仕方ない。
忘れかけていた、胸の高鳴り。
肌がぴりぴりして、佐藤くんとくっつきたくて仕方ない。
認めたくないけど、もしかしてこれは。
・・・・・・・深いため息と共に、ベッドから起き出しました。
気分はどんよりと沈んでいます。頭がはっきりしていくと共に、すごい勢いで頭が回転して行きます。
いいことも、悪いこともぐるぐるぐる・・・。
佐藤くんが私の中に残した言葉、態度、どれも愛されてるって思えることだけど、それは今だけのことであって、未来にそれが続く保障はひとつもないのだ。
そんなこと言ってたら進めないじゃん!とかツッコみが入ることは覚悟して書いてます。私も臆病になってる人には偉そうにいろいろ言ったりします。だけど、 だけどね、こっから先がちと書くんがしんどいんやけど、今更リアルに離婚の時のトラウマがあるってことに気づいたんですよね。
離婚した元旦那は、さくらが生まれて初めて『この人にだけはすべてを曝け出せる、絶対的な味方』と思えた人だったんですね。付き合ってから離婚するまでが 8年以上あったんだけど、離婚問題に発展するまでは本当に仲むつまじき、それこそ倦怠期なんてありえなかった(私にはちょっとあったけど)周りがお手本に したがるようなカップルだったんです(言いすぎでなく、本当に)。
突然の裏切り、それから3ヶ月話し合いをした上での離婚だったんですけど、その頃は仕事でごまかしつつ、すごく冷静に分析したりして、平気な顔してまし た・・・今思えばこれ以上傷つかないための防御だったんでしょうけど、冷たいまでにドライに見えたと思います、周りからは。
その後、恋愛はそれなりにしてきましたが、自分的には気持ちの深入りしない感じできてて、唯一はまった10歳年下クンに関しては、年齢差がありすぎて結婚とか未来とかのリアリティが欠けるから良かったんだと思います。
佐藤くんが、一緒に暮らしたいとか、結婚したいという言葉が生々しすぎる。だって彼は34歳、仕事もきちんとしてるわけです。現実的過ぎるせいで、ついつい未来について考えてしまいます。
この人と結婚したら、親は泣いて喜ぶだろうし、同財閥系不動産会社勤務の弟も不服はないだろうし、私も安泰だと思う。だけど、それは死ぬまで添い遂げられたらの話し。正直Eternal Loveを信じられないんです。
佐藤くんの気持ちが離れる日がきたら、私はきっと今度こそ耐えられないだろう。その時の自分がどうなってしまうか怖くなって泣けてきます。本当にこの日はたくさん泣きました。
夜に彼のところへ行くことになってたんですが、母親が体調を崩したと嘘をつき、週末の予定をキャンセルしてしまいました。その時、会いたくて仕方なかった分、会ってもっともっと好きになるのが怖かったんだと思います。
30日。車の試乗に明け暮れる。
31日。朝から新幹線で私用で長野へ、最終便で帰宅。
1日。午後一の便で沖縄へ。
この間、毎日佐藤くんと話しましたが、「バタバタしてるから」と5分も話さなかった。
すぐに泣きそうになるし、それをすぐに察して優しくされるのが辛かったんです。
・・・続く・・・
他の遠恋の話はこちらから→Ranking[0回]
PR
COMMENT