沖縄へ個人で旅行された方なら、一度は耳にしたことがあるかもしれません。
とはいえ、『沖縄マジック』ってなあに?とよく聞かれるので、ここで書いてみようかと。
『沖縄マジック』とは、沖縄で知らない人と恋の魔法にかかる――日常じゃ考えられないような出会い方をして、日常じゃありえない展開になって、恋に落ちる――ことを言います。
たぶん南国ムードの場所に来て、少し気分がよくなって浮き足立っちゃうから起こりやすいのかもしれません。
私の一番最初の沖縄マジックは、今から10年以上前、大学生の頃に初めて沖縄上陸した時でした。
その頃は『沖縄マジック』なんて言葉は聞いたこともなかったけど、今振り返るとなんてかわいらしかったんだろう!って照れくさくなります(笑)
女友達と二人、レンタカーを借りて本島をドライブ。この時の天気予報では台風が接近!・・・なんて言ってたのに、台風が逸れていったせいで、空いてるはずのビーチ、ガイドブックに載ってるところはどこも人がいっぱい。
うんざりしながら海中道路を渡り、伊計島へ行ったんです。
伊計島で有名なのは『伊計ビーチ』。もちろん人がいっぱいなのでスルー。そのまま先へ進み、沖縄特有の大きなお墓が並ぶところまで来て、小さな手作り看板を発見。『
大泊ビーチ』と矢印が書いてあったので、そのまま狭い砂利道を進み、急な坂道を下ってみると・・・殺風景なビーチに到着。小さな海の家らしきものがあるだけで見事に誰もいない・・・と呆然とすると、車の音を聞いてか、中から男性が二人出てきました。
一人は金に近いほど染めた髪を後ろでひとつに縛った、バスケ少年ぽい格好をした若めの男の子。
もう一人は黒髪少し長めの短髪で、Tシャツにデニム姿のサーファーっぽい感じの人。
二人とも日焼けしてて、東京から来てまだ真っ白だった私たちには、少しかっこよく見えました。
そう。この時点で沖縄の魔法にかかってたのかもしれません(笑)
「誰もいないから、道具とかサービスするよ。好きなの使っていいよ!」
そう言ってくれて、私と友達がとりあえずうきわを借りて海へ入ると、後から一緒になって遊び始めました。
抜けるような青い空。透き通る透明な海には、小さな魚が泳いでるのまではっきりと見えるほど。こんなシチュエーションに男と女が二人ずつ・・・楽しくないわけがない(笑)
というわけであっという間に仲良くなり、日が沈みかけた夕暮れ、散歩に誘われるがまま、金髪と消えて行った友達。残された私は、サーファーと二人、海を眺めながら話をしてました。
サーファー: 「夜になっても砂がずっとあったかいんだよ」
さくら : 「え、そうなの?」
サ : 「うん。だから時々ここで夜を明かすこともあるくらい。気持ちいいよ、海の音と、それから月も星も綺麗に見えて」
さっそく仰向けに横になったサーファーにならって、私も仰向けに空を仰いでみました。
さくら : 「本当だ、気持ちい。もう月が見えるね」
サ : 「うん」
しばらく黙って空を見上げてました。日が沈んだこの夜は、おぼろ月夜でした。
台風の影響で風が強くなって少し肌寒く、砂のぬくもりが気持ちよくて、少しうとうとしかけた時、ふいに目の前が暗くなり、サーファーが自分の上に影を落としていることに気づきました。
そのまま顔が近づいてきて、私は目を閉じていました。
***********後日談は続きへどうぞ。
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結局キスは、友達と金髪が戻ってくる足音で終わりました。
23時過ぎまで海で遊んで、ホテルの門限(恩納村の希望が丘にある、ツアーでついてた安いホテル)のために、私と友達は携帯の番号を交換して帰って行きました。
帰りの車の中、お互いにどうだった?なんて話しつつ、散々浮き足立っていたというのに、ホテルへ戻ると思いっきり鍵が閉まってて入れない・・・。困り果ててホテルの周囲をくまなく回って入れそうなところを探したものの、どうしようもない・・・。
すると、隣の敷地から人の声がしたので、そっちへ行ってみると・・・同じ年くらいの男の子が4人、焚き火をしてました。希望が丘はペンション街で、彼らは那覇からバンド合宿でレンタルハウスを借りてるとのこと。
・・・もう想像つきますよね。レンタルハウスに上がりこみ、朝まで一緒に飲んで・・・大人な出来事はなかったように思いますが(あったっけなぁ??)、楽しく過ごしてしまいました。
伊計島の人も、レンタルハウスの人も、それからしばらく連絡取り合ってましたが・・・いつの間にやら忘れていき、ひと夏の淡い思い出になりました。
この後10年後に、また沖縄で本物の魔法にかかることになるなんて、この頃は想像もしてなかったなぁ(笑
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