前回のあらすじ:突然男泣き(?)した佐藤くんが、いとおしくなったさくら。続きはその帰り道のこと・・・
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やっぱり少し涙目だった佐藤くんは、それからものすごく甘えん坊でした。
この夜、私を実家まで送ってくれる為にお酒を飲んでなかったのですが、佐藤君のマンションまでの帰り道、歩いて10分くらいの道のりをわざと遠回りして30分以上かけてゆっくり歩きまわって。
指と指を絡ませて、背の高い佐藤くんは猫背になって、私は顔を思い切り上げて、笑い合ってキスしては、力任せに抱き寄せられて。
佐藤 「今日も泊まってけよ」
さくら 「でも仕事道具持ってきてないんだもん・・・」
佐藤 「わかってるけど・・・」
『帰したくない』のサインは、握ってる手の内側を指先で引っかくようにすることで伝わってくるけど・・・
さくら 「持ってくればよかった」
佐藤 「ほんとだよ。うちから仕事行けばいいじゃんか」
さくら 「ん・・・(曖昧に)」
佐藤 「さーくーらぁー(握った手をブンブン振って)、俺と会えなくて寂しくないの?せっかく東京にいるのに」
さくら 「実家にいるのも親孝行なんだもん・・・」
佐藤 「それじゃ答えになってねーよ」
さくら 「佐藤君、寂しい?」
佐藤 「寂しい!もうお前を携帯サイズにして、ポケットに入れて会社に連れてきたいくらい。もう、ずーっとイチャイチャしてたい」
その割りに、昨日はオリンピックに夢中だったくせに・・・
佐藤 「なんでムクレんだよ。なぁ、もっとイチャイチャしようよ~」
繋いでた手を離して、今度は私の背後からおぶさってくると、襟元から手を突っ込んできました。
さくら 「こらっ!公道でなにしてんのっ!(怒)」
佐藤 「誰もいないからいいじゃん」
さくら 「(確かに誰もいないが)だめだって!」
佐藤 「お願い、ちょっとだけ触らせて(指がブラの中へ)」
さくら 「もう、だめだってば!」
佐藤 「(耳元で)だめじゃないって、俺のなんだから」
マンションへ到着すると、なだれ込むようにエレベーターに乗り込み、壁に私を押し付けて首筋にキスを繰り返し、片手は服の下で背中を支え、もう片方の手はブラを押し上げて胸 に・・・静まり返った小さな箱の中に、息遣いだけがやけに大きく響いて。いつ人が乗り込んでくるかわからないことにドキドキしながら、私も気づけば夢中に なってて・・・
佐藤 「もう部屋行くまで待てない・・・」
さくら 「だめだよ、ここじゃ・・・」
佐藤 「なんでスカートじゃないんだよ・・・」
佐藤くんが私のパンツのベルトに手をかけた時、突然エレベーターの扉が開き、二人とも一気にフリーズ(笑)
エレベーターの外には、唖然と立ち尽くす私たちと同世代の女性・・・そのまま扉は静かに閉まりました。
さくら 「ほらっ!だから言ったじゃないっ!もう嫌っ!穴があったら入りたいっ!」
佐藤 「そんなに怒るなよ・・・(3階のボタンを押して)お前だって(嫌がったのは)口だけだったじゃんか」
すっかり熱の冷めた佐藤くん(と、私)は、そのまま部屋へ。
手も繋がない佐藤くんは、ご機嫌斜め。
一人でドカッとソファに座りこむと、立ち尽くす私に目もくれずにTVをつけてしまいました。
・・・続く・・・
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